パビリオンの独特な建築
Expo 2025におけるトルクメニスタン館は、文化遺産、環境との調和、そして国のアイデンティティを、現代建築で表現したものです。3階建ての建物は、上空から見ると楕円形の柔らかな三角形の形をしています。
この独自の形は、再生、持続可能な発展、そして生命の流れを象徴しています。また、建築的な工夫により、館の周囲には自然な微気候が形成され、夏でも涼しく快適に過ごせます。
屋根のデザインは、トルクメン民族の古代ジュエリー「グルヤカダン（gülýakadan）」に着想を得ています。滑らかで曲線的なラインは、調和と美を表現しています。外観は、国土の70％を占めるカラクム砂漠にインスパイアされています。
この砂漠は単なる不毛の地ではなく、757種の植物と1,200種の動物が生息する豊かな生態系を持ち、生命のつながりを象徴しています。
トルクメニスタンへの没入型の旅
1階にある展示ホールでは、最新技術を使って、トルクメニスタンの歴史、文化、経済発展、自然資源を五感で体験できます。大型スクリーンと光・音の演出により、臨場感のあるアニメーションや映像効果が訪問者の感性に訴えかけます。
このマルチメディア空間は、情報を伝えるだけでなく、トルクメニスタンの精神性や文化的アイデンティティへの共感を呼び起こし、強い印象を残します。
訪問者を待つ永続的な文化遺産
トルクメニスタン館の展示は、国家遺産だけでなく、世界文化への貢献も称えています。一つひとつの手織りカーペットには、何千年にもわたって受け継がれてきた歴史と伝統が込められています。
これらの模様は単なる芸術ではなく、自然との調和、団結、平和の精神を表現しています。色鮮やかで精巧に作られた民族衣装には、トルクメン人の誇りと美意識が映し出されています。
衣装に使われる模様は、歴史、社会、労働への敬意を示しています。これらの価値観は、あらゆる国が共有する普遍的な人間の原則ともいえます。
トルクメニスタン館は、こうした文化的宝物を単なる過去の遺産としてではなく、共通の人類遺産として捉えるよう訪問者に呼びかけます。
シルクロードにインスパイアされた料理
トルクメン料理は、シルクロードの中心から受け継がれてきた独特の味わいを今に伝えています。3階のレストランでは、トルクメン人の生活理念と文化遺産に根ざした高貴なレシピに基づく伝統料理を提供します。
屋外の特別な伝統的な空間では、トルクメン流のおもてなしを体験できます。絨毯と美しい模様で飾られたこのエリアは、お茶を通じてゲストへの敬意、精神的なつながり、文化的交流を象徴します。これは単なる食事ではなく、世界の人々に友情、信頼、調和ある共生を呼びかける招待状です。